介護タクシーとは

最近増えてきました「介護タクシー」と呼ばれているタクシーですが、申請の手続は通常の法人タクシーとほとんど同じです。
なお、この許可においては、運転手が2種免許を取得している必要がありますが、介護福祉士やホームヘルパーの資格は不要です。(ない場合は、講習受講などでも可)

介護タクシー開業に必要な費用

以下に掲げた金額はあくまで参考例に過ぎませんので、予めご承知おきください。
なお、以下に行政書士報酬は含まれていません。

  • A:営業所・仮眠施設及び車庫は賃借 / 車両は新車を一括購入
    ⇒ 300万円程度(中古車でしたら、もう少し安くなります)
  • B:営業所・仮眠施設及び車庫は賃借 / 車は分割払い(またはカーリース)
    ⇒ 200万円程度
  • C:営業所・仮眠施設及び車庫は賃借 / 既に福祉車両所有
    ⇒ 100~150万程度
  • D:建物、車両共既に所有
    ⇒ 人件費や燃料費等の運転資金だけになりますから、100万程度で可能と思われます。

介護タクシー許可申請のためにご用意いただく書類

詳しくは各運輸局のHPで確認することが可能です。

申請書

  • 一般乗用旅客自動車運送事業許可申請書
  • 事業計画

添付書類

1.営業所、車庫、休憩仮眠施設の使用権原を証明するための書類

(1)土地・建物の登記簿謄本(自己所有の場合)
(2)賃貸借契約書(借入れの場合)

  • 3年間の使用権原があるか、又は自動更新のできることが条件です。
  • 使用目的が「居住用」になっている場合には、営業所として使用できませんので、用途を確認してください。
  • ※契約書や承諾書の名義は申請者になっていますか?この点もご確認ください。
  • ※奥様が、ご主人名義の家の一部を利用して、介護タクシーを始める場合でも、使用承諾書は必要です。

車庫の位置・大きさをご確認ください。

  • 営業所から離れていませんか?離れている場合には2km以内にあることが条件です。
  • 車両の長さ、幅より1メートル以上、余裕がなければいけません。
  • 車庫前道路の幅は大丈夫ですか?

2.営業所、車庫、休憩仮眠施設の見取図、平面図

  • 自己所有の場合、以前に建築士が作成した図面や見取図があれば、それでOKです。
  • なお、上記図面がない場合には、実測の上、作成することになります。
  • 必ず、求積表をつけてください。また北が分かるように矢印を忘れずに。

3.営業所から車庫までの案内図

  • 住宅地図のコピーでOKです。
  • 営業所と車庫が離れている場合、両者の場所が分かるようにして、両者の間に矢印を書き距離を示します。(方角も分かるようにしてください。)

4.車庫前面の道路の幅員証明書

  • 前の道路の幅が狭い場合には、車庫を変更する必要があります。(5mあれば、大体大丈夫です。)なお、車庫前道路の幅が狭い場合には、事前に当事務所にご相談ください。何とかなる場合もあります。
  • 前面道路が国道の場合には、この書面は不要です。

5.事業用自動車の使用権限を証明する書面

(1) これから買う場合

  • 自動車の売買契約書・売渡承諾書・見積書など
  • 自動車取得税や自賠責保険料などの金額も事業計画書に書きますので、明細が書かれている契約書が必要です。

(2) これからリースされる場合

  • 自動車リース契約書

(3) 既に車を所有している場合

  • 車検証

※一般車両(セダンタイプ)を使用する場合は、介護福祉士等の介護関係の資格を証明する書類が必要です。

6.事業計画に関する書類

  • 運行管理体制に関する書類
  • 各宣誓書
  • 運行管理規定及び運転者指導要領
  • 申請日直近の銀行等残高証明書(資力の確認のため)

※これは申請日直前にご用意ください。

※口座名義は申請者名義であることが必要です。 申請後に確認しますので、お金を使わないようにしてください。

  • 任意保険の見積書(補償額、保険料の分かるもの)

※もちろん事業用の任意保険です。

  • タクシーメーター器の見積書(タクシーメーター器による運賃を収受する場合に必要です)
  • その他

法人(会社)が申請する場合には、法人に関する以下の書類が必要になります。

A 役員全員の履歴書
B 役員の名簿
C 認証を受けた定款の写し(目的に一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送限定)の文言が必要です)
D 会社登記簿謄本
E 出資状況を記載した書面
F 直近の貸借対照表

個人で開業する場合には、以下の書類が必要です。

A 申請者の戸籍抄本(謄本でも大丈夫ですが、ご家族の状況まで運輸局に教える必要は無いでしょう。なお、住民票は×です。)
B 申請者の履歴書
C 財産目録

ここがちょっと大変です。多少のミスは九州運輸局で補正してくれますが、運輸局に迷惑をかけないためにも、できた書類を事前に運輸支局の方に見てもらうと良いでしょう。書類は、九州運輸局HPで入手できます。

許可申請手続の流れ

STEP1

手続は九州運輸局などの各運輸局で行うのですが、書類の提出は営業区域を管轄する運輸支局になります。提出する書類は運輸局の分と運輸支局の分の2部になりますので、自分の保存分も含めて3部ご用意ください。許可手数料はかかりません。(登録免許税3万円がかかります)

STEP2

許可申請書提出後、申請者の方に、法令試験を受験していただくことになります。

STEP3

補正事項がある場合には、九州運輸局より連絡が来ますので、それに従って補正いたします。詳細かつ丁寧な指示が来ますので、心配されることはありません。

STEP4

許可までの標準処理期間は2ヶ月半くらいです(最近は混んでいるようですので、2ヶ月よりも余裕をもって考えてください)。 従来は法人タクシーと同様に5ヶ月ほど期間がかかりましたが、現在は上記の通りです。許可がでましたら、許可書を申請した運輸支局で受領しますが、まだこれで即開業と言うわけにはいきません。
以下の手続を経て、ようやく開業となります。なお、許可後に変更がある場合には、届出もしくは事前の承認が必要となりますので、ご注意ください。

STEP5

運輸支局から渡された指定の書類を利用して登録免許税(3万円)を納付します。
このときに許可後~運行開始届までの手続の流れを教えてくれますので、良く聞きましょう。

STEP6

運賃・料金及び運送約款の設定認可申請後、運賃認可書の受領となります。自動認可運賃でしたら、現在は1ヶ月~1ヶ月半程度のようです。また、これらは営業所への公示が必要です。
この後で、事業用自動車等連絡書に運輸支局の確認印をもらいます。(これが車庫証明の代わりになります)

STEP7

申請車両の登録・タクシーメーターの取付(3週間程度)を行います。車両の表示、車内の掲示なども忘れないように注意しましょう。

STEP8

運輸支局に運輸開始届の提出をし、無事開業です。(車検証の写、任意保険証明書の写、車両の写真などが添付書類として必要です。)

当事務所にご依頼いただいた場合、ご依頼から開業まで5ヶ月~半年程度かかります。
開業までの期間は、九州運輸局での審査期間によります。上記期間はあくまで参考であることを予めご了承ください。

対象となる旅客について

以下に掲げる方及びその付添人が対象となります。

  1. 介護保険法(平成9年法律第123号)第19条第1項にいう「要介護者」を受けている者
  2. 介護保険法第19条第2項に規定する要支援認定を受けている者
  3. 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条にいう「身体障害者」
  4. 1~3のほか、肢体不自由、内部障害(人工血液透析を受けている場合を含む。)精神障害、知的障害等により単独での移動が困難な者であって、単独では公共交通機関を利用することが困難な者